リトルニコ爺の手記

わかばだいとかいうハンネでTwitterをやってる人が昔やってたYahoo!ブログから引き継いでリスタートした沼みの深いブログ。

ズームレンズあれこれ第四回「アフォーカル」

このシリーズもかなり間が空いてしまいましたが、今回は第三回の続きで本当の「通しF」ズームを見ていきます。

 

一番最初に買ったフィルムカメラがEM(とFE不動)だったおかげで、僕はEシリーズレンズに造詣が深いので、今回もEシリーズレンズを出していきます。

Nikon LENS SERIES E 75~150mm 1:3.5 (旧外装)

Eシリーズの3本のズームの中で最初に出たレンズで、Eシリーズらしい旧外装(飾り環)のものも存在します。

E70~210/4もそうですが、この子達はズームしてもレンズ(光学系)全長が変わりません。レンズを覗けばズーミングが分かりますが、レンズ長だけでは判断がつきません。

このレンズタイプは凸凹凸凸の4群構成ですが、43~86の流れの全群移動の4群ズームとは別物で、「4群アフォーカルズーム」と呼ばれます。詳細については、千夜一夜第四十二夜で大下氏が、第六十七夜で佐藤治夫氏が解説しておられますのでそちらに任せますが、簡単に言えば前3群が可変倍率のフロントコンバータで第4群がマスターレンズになっています。第3群を出る光線が光軸に平行(アフォーカル)を保ち続けることから、4群アフォーカルレンズと呼ばれます。

このレンズタイプは、Zoom Auto 80~200/4.5からスタートして、Ai 80~200/4.5やAi 80~200/4S、Ai AF 80-200/2.8D、Ai AF-S 80-200/2.8Dなどを経てAF-S 70-200/2.8Gへと受け継がれています。IF化したとはいえ基本的な思想は変わっていません。Z 70-200/2.8 Sも概ね同じだと思います。今でも中望遠大口径ズームの最大勢力です。

ユーザーとして嬉しいのは、古めのレンズでも高画質と大口径を望めることです。FFさんがD800にE75~150/3.5を装着して撮影したところ、その狭いビットレートをも上回るほど解像したとか。(さすが大下氏をして「単焦点に引けを取らない」とまで言わしめるだけのものがあるなぁと思います。)現在の「大三元レンズ」と言われる3本組のF2.8通しレンズの中で最も早く登場したのも80~200/2.8です(Ai-S代。標準が2番目で、35-70/2.8がAi AF ~S代に登場しその後徐々にワイ端を広角化。14mmスタートのズームレンズの登場はフルサイズデジの時代まで待たなければならない)。バックフォーカス長の制約の相対的な小ささや大口径望遠ズームの需要の大きさに後押しされたのでしょう。実際F型最初のズームレンズはAuto NIKKOR Telephoto-Zoom 8.5cmF4~25cmF4.5ですからね。