今週のお題「下書き供養」ちょこちょこ加筆しました。迷えるNikonオタの手記をお楽しみください。
今回は少しFマウントから離れて、ニコンのコンデジを触ってみましょう。
まえがき (飛ばしちゃっても大丈夫です)
というのも、やはりSLRカメラというのはミラーボックスを積んでいますからどうしても厚みができ、ポケットに入れて持ち歩くようなことはできません。じゃあバルナックライカに沈胴レンズ…はさすがに高すぎますって。物理的にポケットに入っても危なっかしくてそんな真似できません(僕は)。Zなど最新のミラーレスはミラーボックスがないとはいえDSLRを置き換えるべく開発されているカメラ・レンズ群というだけあって携帯性を期待するものではありません。じゃあどうする、となった時に一つ可能性として出てきたのが、古めのコンデジを使う、ということです。
最近はスマホカメラも優秀になってきており、それに対抗するようにコンデジも高性能・高画質化する流れが強くなっています。そうなると必然的にカメラのサイズが大きくなるわけです。COOLPIXでもハイエンドのPシリーズでは、もはや何が"コンパクト"なのかわからないような大きさになってますよね(はじめからコンパクトにする気なかったと思いますが)。そんなことや黎明期のAFフィルムコンパクトを考えたりすると、コンデジ登場初期ごろ(2000~05年くらい?)が最も小型だったのかな、と考えてみたりします。
…とまあこんな感じで考えていたところで、修学旅行に向けてD7100のキットレンズなるAF-S DX 16-85Gの中古を中野のフジヤカメラさんに買いに行ったのですが、フジヤ中野といえばジャンク館ということで行ってのぞいたところ、ニッコールFの在庫は驚くほど少なかったのですが(たしか80-200/4.5が1本だけ)、袋に入れられて吊り下げられているコンデジの林の中にひとつNikonの文字を見出しました。それが今回のCOOLPIX 5200だった、というわけです。幸いバッテリーチャージャもその場で購入でき、あっという間に環境が整ってしまいました。
ではスペックを確認しておきましょう。
スペック (抄)
形式 | ニコンデジタルカメラE5200 |
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有効画素数 | 5.1メガピクセル |
撮影素子 | 1/1.8型原色CCD(総画素数:5.26メガピクセル) |
レンズ | 3倍ズームEDニッコールレンズ f=7.8~23.4mm(35mm判換算:38-114mm相当)、F2.8~F4.9(6群7枚) |
オートフォーカス | コントラスト検出方式 |
撮影距離 | レンズ前約30cm~∞[マクロモード時:レンズ前約4cm(ズームの広角側)~∞] |
記録媒体 | 内蔵メモリ約12MB、SDメモリーカード |
測光方式 | マルチ測光、中央重点測光、スポット測光 |
シャッタースピード | 4~1/2000秒 |
露出制御 | プログラムオート、露出補正(-2.0EV~+2.0EV、1/3段ステップ)、オートブラケティング |
スペック的なお話です。
有効画素数は5MP強(5.1MP = 510万画素)と現代のカメラたちにはかなり見劣りする数字となっていますが、公式はこれをA4プリントに余裕の有効画素数5.1メガピクセルの高画質
』と表現しています。画面上でピクセル等倍まで拡大して見るならまだしも、プリントして楽しむなら十分な性能を持っている訳です。じゃあ今の超高画素はなんなの…?
撮影素子は1/1.8型で、このクラスのコンデジとしてはやや大きめです(他の物は1/2.5型とか)。素子は大きければ大きいほど表現において有利ですから、他のコンデジと比べて少し秀でている点ということになります。ちなみにニコン1マウントカメラの素子は1型。フォーサーズが4/3型。
レンズはEDレンズ入り6群7枚。EDレンズ入りらしく、本体レンズ部に控えめに金環が入ってるのがなんともかっこいいです。
記録媒体はSDカード…といってもSDHCとかSDXCとかは使えません。初期のSDカードを用意してあげてください。逆に入手しづらいかも。
測光モードを3種から選べるのは地味にありがたいです。一歩踏み込んだ撮影がやりやすい。
カメラとしてのCOOLPIX 5200
ノーマークのCOOLPIXはExxxxと表現されるのが通例のようですから、COOLPIX 5200は以下E5200と書くことにします。
E5200は、少し後のSシリーズかなんかと比べると分かる通り少し厚めのボディをしています。レンズが出てるのと、かわいいグリップがついてます。いわゆる"Nice Grip"。しっかりホールドできるので中の人は気に入ってます。
E5200にはファインダーがついています。レンズに合わせてちゃんとズームするのがかわいいです。しかしこれEVFではなく実像式ファインダーで、皆さんならお分かりの通りパララックスが出ること、そして一眼レフでいうところの視野率が低いこと、この二点からあまり使っていません。ファインダーをのぞく姿勢にして手ブレを防ぎたいときには有効な手です。
ズームはよくあるレリーズボタン外周…ではなく親指位置にあります。このころのCOOLPIXの特徴的な点だと思います。何が嫌だったんでしょうね。細かい調節はしやすいのでアリかなと思ってます。
モードダイヤルは8つに分かれ、SET UP/シネ/スチルオート/シーンモード/アシスト付きシーンモード×4の構成。カメラの設定はモードダイヤルから指定するのが面白い点です。アシストモードは強力で、画面上の構図補助線に合わせて撮れば構図がちゃんと取れるようになっています(ポートレート・風景など)。
フラッシュ・露出補正・マクロモード・セルフタイマーは十字カーソルキーから設定ができますが、その他WBや測光方式、連写方式、AFモード設定などはMENUに入らないと設定できません(オート撮影時)。Fnボタンが1つあれば操作性は格段に上がったと思うので惜しい点です。シーンモード時にはこういった設定はできません。
ちなみにですが電源OFF時に再生ボタン長押しでレンズを出さずに再生モードに入れます。
写りは、CCD素子なので柔らかい画を返します。高感度は期待しない方がいいです。感度は64~400で一段ごとの設定かオートで選べます。ISO400は高感度だったか。
E5200を推すにあたって最も重要なのは、しかし、そのかっこよさです(コミュ英の教科書かな?)。青く輝くアルミの胴体にシルバーのアクセント。上の通りレンズ根本には金環があしらわれていますし高級感があります。
ZOOM NIKKOR ED 7.8-23.4mm 1:2.8-4.9
L35AD(ピカイチ)の世代のコンパクト用レンズやEM用のレンズシリーズ(Eシリーズ)は「Nikon LENS」でしたが、このレンズは「NIKKOR」です。ちなみに2.8スタートズームって明るい!って思うかもしれませんが標準的なスペックです。Camediaは明るい。
遠景撮影時の描写は普通といったところですが、マクロ撮影時の解像感には光るものがあると思っています。いくらか作例を置いておきます。なお縦位置検知はないですのでご了承ください。
後日談
小さくて、かっこよくて、寄れて、そこそこ写るということでちょくちょく出していたのですが、電池室のツメが折れ、一応フタは閉まるもののちょっと浮いてしまっている状態になってしまったため、しばらく机の上でおとなしくしてます。どうもあるあるみたいですね。ポケットに入るサイズでガンガン使えるカメラは残念ながらスマホが淘汰してしまった(スマホの豆粒センサーは使う気になれない)ため貴重な存在なのですが、原曲厨みたいなところのある中の人は外にテープを貼って使うみたいなことはしたくないのです。少なくとも外見はそのままがいいのでどうにかうまく工夫できないものかと考えています。うまくやってるという方がおられましたらコメントよろしくお願いします。