リトルニコ爺の手記

わかばだいとかいうハンネでTwitterをやってる人が昔やってたYahoo!ブログから引き継いでリスタートした沼みの深いブログ。

機材紹介 : Nikon F-501

こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

 
今回はNikon F-501について紹介していきたいと思います。

 

f:id:trains552259:20200224225536j:plain

Nikon F-501

 

略歴

F-501はニコン第2世代AF(所謂AF-N)を搭載した初めてのカメラです(「初のAF一眼レフカメラ」はF3AFですね)。とはいえこのデザインとAFを除くスペックが同じF-301というカメラが先に発売されていました。ただタイマーまわりの操作系などは更新されてます。

 

一眼レフのAF化

時代的によく共に語られる(?)のがミノルタのα-7000。AF化とともにマウントも一新し大博打を打つ形での登場(?)で、操作系もボタンが多く液晶もついていて近未来的なイメージです。

対してF-501は、伝統のFマウントにカップリングと電気接点(←F3AF用のレンズにあるこたあるんだがこれをどう扱うかは微妙はところ。F3AF用レンズは非CPUだし)を増設するだけでAF化を達成。SS優先AEは搭載されなかったものの、Nikomat ELと比べても変化の少ない操作系。さらに瞬間絞込み測光により非CPUのMFレンズ(非Aiは装着不可)を付けてもプログラムオートが使える、かなり従来ユーザーを意識したカメラになっています。ニコンらしいですね。

どちらもジャンクモノが多いですが、外観の破損などはF-501の方が少ない気がします。そこもさすがのニコン。ただ電気系統の壊れは多いらしいです。僕のF-501もジャンクで1000円、後幕が出てこない故障品でした。弄ってたら運よく直りました。

 

f:id:trains552259:20200224225726j:plain

Minolta α-7000 + Minolta AF ZOOM 35-70mm 1:4

 

使い勝手

個人的には正直微妙なところがあるかもしれないです。

 

外観はFEよりはEMっぽいです(どうもEMと同様ジウジアーロデザインっぽいが確証を得られない)。またボディ色が黒のみになりました。ブロック「NIKON」は健在。

ファインダー内はFEなどより劣りますね。標準のマットファインダーが暗いのは別に良いんですが、情報量が少ないです。画面下部にフォーカス関連(合焦表示・フォーカスエイド・測定不可表示)、右にSS表示といったところです。SS表示は規定の数字がひとつ、もしくは複数点灯することによりSSを表示するしくみ。FEの2本針式の方が圧倒的に見やすい。ただ暗所撮影ではSSが確認しやすくなりましたね。ファインダー内のF値確認は出来なくなりました…(プログラムオート搭載のため?)

グリップが搭載されたためホールディングは良くなりました。

左手で絞りリングを操作してF値を設定するのは先のELやFEなどと同じです。ただしPモードでは最小絞りに合わせておきます。

このカメラでは従来のレリーズは使用出来なくなりました。レリーズはMC-12A(など?)を正面巻き上げクランク下の端子に取り付けて使用します。

ISO感度設定がDX方式となりパトローネから読み込めるようになりました。マニュアルで設定することも可能です。また、感度設定が持ち上げ回転、露出補正がロックボタン押し回しになりました。FEと逆(のはず)です。こっちの方が扱いやすいかなと思います。

ワインダーが内蔵され、モードラなしでも撮影時のシャッターチャージが不要、連写も出来るようになりました。(まあ音もそこそこ発します。)フィルム装填もオートローディングとなり失敗しにくくなりました。標準の裏蓋の場合窓からしましまが回転している(=フィルムが正しく装填されている)様子が確認できます。しかし巻き戻しはなぜか手巻きです。

底蓋(底面全体)に単四乾電池4本を入れて使用します。このため三脚座がとても端に寄っています。これを中央に持ってくるにはAH-3三脚アダプタを使用します。AH-3は各種モードラ併用らしいですが詳しくは分かりません。

 

付属品

AF(-N)レンズ第一号としてF-501と同時に発売されたのが(Ai) AF 35-70/3.3-4.5(S)(AFつきNikon Fマウントレンズのうちレンズ内モーター非搭載レンズをAF-Nと言うことがあります。本体側にAFカップリングがないとAFが使用できません)。どうもF-501とセットで売られていたようです。そこそこ便利な2倍標準ズーム。どうもこの子の光学系は既存のAi 35-70/3.3-4.5S(要はMFレンズ)と同じらしい。他にもAF(-N)のDタイプくらいまでのレンズの多くは同性能のMFレンズにAF機構とCPU(と距離エンコーダ)を追加したものとなってる様です(例外あり)。オールドレンズの光学系にAFまでついて中古相場アホほど安いなんていい事づくめじゃないですか!

ちなみにF-501のAFは明るいところでしか使えない&時間のかかるオマケ程度に考えてください。どうせ中央1点だけだし(AFモードをSにしたりAF-Lock使ったりすれば良いんですが)、ピントの山の掴みやすいマットファインダー入ってるので、フォーカスエイド機と割り切ってMFで使うのをオススメします。(ここかな?いやこっちかな?とのんびりピントを合わせる姿がむしろかわいく見えてきたりします。癒しグッズ。)

 

過去にも書きましたがストロボはSB-20が同時発売だったようです。TTLが使えます。

 

裏蓋はフィルムのチャージと共にくるくる回るアレのみのものと、MB-19だったかデート写しこみ機能のついたものとがあります。この世代のカメラにはメモホルダーはついておらず、パトローネの表記を窓から読み取るタイプが殆どで、F-501もその一つです。

 

f:id:trains552259:20200224230420j:plain

Nikon F-501 + AF NIKKOR 35-70mm 1:3.3-4.5 (HN-2) + SB-20 + AH-3 + MC-12A

 

対応レンズ

上でもちらっとお話しましたが、F-501の対応レンズを確かめておきましょう。

本体スペック: Nikon Fマウント(電気接点・不可倒Ai連動レバー・Ai-S識別ピン・レンズ焦点距離識別レバー・解放F値連動レバー・AFカップリングつき), AF-N, 絞り優先AE, 瞬間絞込み測光によるプログラムAE(Dual,通常,Hiの3チャンネル)搭載

世代レンズ: (Ai) AF(-N) (~S)

全機能使用可: F3AF用AFレンズ、AF(-N) ~D、TC-16AまたはTC-16ASを介したAiレンズ

AE撮影可: 全てのAiレンズ(Ai, Ai改, Ai-S(含むEシリーズレンズ), Ai-P, AF-I, AF-S ~D)(AF不可・フォーカスエイド可)

使用不可: 非Aiレンズ(Ai改造されていないオートニッコールレンズ、AF(-N) ~G, AF-S ~G, AF-S ~E, 全てのAF-Pレンズ)及びDXフォーマットレンズ

ざっくり書きましたが多分例外もあります。現在60年も続いてるFマウントですから、例外的なレンズもたくさんある訳です(いい例がニコンおもしろレンズ工房)。申し訳ないですがPCレンズは持ってないのでなにもわからないです。とにかく参考程度に見ていただければ。

 

マウントはF4に次ぐごちゃごちゃしたものになっています(F4はAi連動レバーが可倒なのでそのためのボタンがついてる)。

また魔法のAFテレコンバータ、TC-16A, TC-16ASは、解放F値が2より明るい非CPUでMFのAiレンズでAFが使えるようになるアイテムです。これも実にNikonらしいアイテムですね。もちろんテレコンバータとしての機能も持っていて焦点距離と解放F値が元レンズの1.6倍になります。またどうもF3AF用AFレンズのAFが使用可のカメラボディでしか使えないらしいです。そこら辺はNikon公式やらを参照してください。

 

 

今回はF-501についてつらつら書きました。一応時代の名機だと思うのですが数千円で買えてしまうのでもし機会があったら手元に置いてみて欲しいカメラのひとつです。なにせ今に続くNikon Fマウントカメラ初の確立したAF機構をもつカメラなんですから。