NIKKORを名乗ら(れ)なかったNIKON製レンズは調べるとそこそこあって調べてると結構面白いんですけど、その中ではわりと普通で、しかしある点では現在に至るNIKKORレンズの先駆けともなった、割と重要なレンズ群がいるんです。
「Nikon LENS SERIES E」ってやつらでして。
僕が主に集めてるレンズ群です。
集め出した経緯から。僕が初めて手にした銀塩カメラがNikon FEとEM。FEのほうはシャッターが切れなかったのでEMを使うことに。さてここで銀塩カメラの使い方のイロハのイも知らなかった自分はいろいろ調べ出しまして、あるときEシリーズというレンズ群がEMと共に世に送り出されたことを知ることになりました。ニッコール千夜一夜物語の第42夜(E75~150/3.5)なんて読んだらもうこらえきれずEシリーズを集め出してしまいました。
それでEシリーズがどんなレンズ群かというと。
時は1980年。Nikon F3(フラッグシップ機)と同時に販売された初級機EMにマッチするデザインの軽量で安価なレンズ群。(もちろん全部MF。)28/2.8(日本未販売)、35/2.5、50/1.8(日本未販売)、100/2.8、135/2.8(日本未販売)、36~72/3.5、75~150/3.5、70~300/4の計八本がつくられたらしい。ちなみにAi 28/2.8Sは現行のMFレンズ(見た目も中身もMF銀塩時代のレンズが令和の今でも新品で買えるってニコンすごくない?)とうとう「旧製品」となってしまいました。残念。だし、これとAi 50/1.8S(E50/1.8と基本的な光学設計が同一)は別に千夜一夜に取り上げられてる。
どれもいいレンズなんですけど、希少なのかなぁと思ってジャンク館(中野)に行ってみてびっくり。あっけないほどたくさんの75~150/3.5がカゴに…しかもたいへんお求めやすい価格で…心の中で盛り上がってたのはたぶん自分だけと思うとなんだか悲しくなってきます。ちなみにズームはそれぞれ3k/本なら高いほうかな。1kからあったりする。単焦点はそれよりはちょっと高め。
小さい。単焦点はエンジニアリングプラスティックを使っている(ニコンのレンズとしてはじめてらしく現在の先駆けとなっている)ため非常に軽い。つまり便利。
見た目は少しチープかもしれない(後期のデザインはNIKKORとあまり変わらないらしい)し、安定と信頼のNIKKOR銘も入ってないけど、それでも正真正銘Nikonのレンズだし、EMにしか使用できないわけではないし(むしろ使えないFマウントカメラはほぼない)、本体も軽いし使い勝手が良いなんていいことずくめじゃない。
個人的にはもう少し人気が出てもいいレンズ群じゃないかなと思っています。
[Eシリーズレンズが使えるカメラ]
Ai連動爪のついてるニコンFマウントカメラで露出計が使用可。(機構上旧連動方式の爪はつけられないがそれ以外は)Ai-Sタイプのレンズです。
その他露出計が非搭載のカメラ(Fアイレベルなど)とか旧連動方式(Nikomatシリーズなど)とかAi連動爪のないカメラ(D3000代・D5000代・D7500)でも使用できます。一部絞り込み測光のできるカメラもあります。
遅れましたが、あけましておめでとうございます。今年も精進しますから宜しくお願いします。まずはニコンピカイチ…!